『邂逅遭遇 2023』

数年前。というか3年前。ロンという男がオーサカにおったそうな。
ロンは頼まれもしないのに酒の席では必ず大酒をかっ喰らい、日出ずるまで皆々を大いに楽しませたそうな。
ロンはその悠々自適で豪快な振る舞いから、ある者には大変好まれ、ある者には大変恐れられたという。
ある日、パンゲーアという機械式轟音家屋の番人である大男キッチ・ジョーは言った。
「オーサカの我こそはと言う面白いヤツらをここパンゲーア集めよう。そしてそいつらをロン、お前たちが盛大にもてなすのじゃ！」
ロンは少し驚いたような表情を浮かべたがすぐに気を取り直し、キッチ・ジョーに優しくキスをした後、大きく深呼吸をして山のような荷物が入った風呂敷のようなサッポロの樽のようなよくわからない何かを担いで何処かへと旅立って行った。
それから三年間、ロンを見た者はいない。

もう皆がすっかりロンという男の事を忘れて過ごしていたある日、前触れもなくロンから手紙が届いた。
「ついに見つけたんだ。無限にビールが湧き出る伝説のミサイルジョッキをな。」
　　　　　　　　　　　　　　
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